彼女日記
ここ数か月。彼女は転職とかなんとかでとても忙しそうだったから
私は距離を置くことにしていた。
といっても全く会わなかったわけではないし、なんなら毎日電話をしていた。
大体の電話の内容は
・転職の不安
・将来の不安
・明日の髪型の不安
・体重の不安
・健康の不安
・エイジングの不安
不安・不安・不安・不安・不安…
彼女は日々本当に多くの不安を抱えているのだ。
結局今日もそんな不安の話をしていて、私が彼女の不安の回答を
考えている間に、うっすらといびきが聞こえてきた。
別に私はこれを怒ったりしない、むしろゆっくり彼女が
眠れていることはすごくうれしいことだ。
ただ、頭を回転させ真面目に聞いていたこちらの目はばっちり覚めてしまった。
明日仕事だというのに…
彼女は今月から新しい職場に通っている。
今までの未経験の業界職種だけれども、彼女はとても生き生きしていて
楽しそうなのだ。
彼女は不安を抱えやすいぶん、誰よりもいろんな事を考えている。
といっても殆どが自分のことなので、世の中の役に立つかはどうか分からないが。
最近彼女は本当に気持ちが落ち着いているようだ。
在宅の日の朝は、できる限り早く起きて、掃除機掛けをして洗濯物を回して
鼻歌を歌いながら楽しんでいる。
私は彼女のそんな姿をみると少し瞼が熱くなる。
そうやって彼女を眺めていると
「どうしたの~なんでそんな悲しそうな顔でこっちみるの~?」
といいながら、ニコニコして私を元気つけようとしている顔を
向けていた。
彼女の感じている不安ってこんな感じなのかなと
ふと思った。